高校生の頃、学校で、どの分野に向いているかという適性検査を受けた覚えがあります。
確か、自然科学、という結果でした。
人の得意不得意はある程度先天的なものがありますが、興味関心は変わっていきますし、性質も長い間には少しずつかわっていきます。
だから、検査で示される適性というのは、進路を考えるうえでどのくらい考慮すべきなのかなあ、と思うのです。
今の私が、高校生の私をみて薬剤師を勧めるかというと…かなり疑問です。
学生時代の私は、とにかくせっかちでスピード命。丁寧さには全く価値を感じませんでした。おまけにかなりマイペースです。
学校の先生に、周りを見て人と同じようにしなさいと言われるのが大嫌いでした。
幼稚園や小学校で、工作は周りよりもかなり早く作り上げ、先生から
「れおちゃんは、早いんだけど、もう少し、ていねいにやったらもっといいよ(^^;」
家で工作のためハサミを使っていれば、母から
「れおちゃんはどうして、線のとおりにまっすぐ切らないの?(-“-)」
折り紙もきちんと角を合わせて折らないので、ぐっちゃぐちゃ。
(でも自分では満足(*^▽^*))
机の上も、ぐっちゃぐちゃ。
料理に計量スプーンなんか使ったこともないですねー(‘◇’)ゞ
・・・
そんな女の子が、就職して仕事を始めると、色々なことに気づきました。
「机の上がごちゃごちゃしていると、間違いがおこりやすい」
「お札の方向を揃えて渡さないと、とても不快に感じる患者さんがいる」
「薬を入れる袋の薬剤師印がまっすぐでないと、とても嫌がる患者さんがいる」
調剤をしたり、患者さんと接していると、当然ですが自分とは全く違う感じ方や反応があり、それまで全く気にならなかったことを、かなり気にするようになりました。
定期的に来局される患者さんの変化を気にかけていたら、プライベートでも、人のわずかな変化に気が付くようになっていきました。
そして仕事を始めて数十年たつと、周りから「そこまでやる?」といわれるくらい、細かい人間ができあがりました。
まあ、プライベートではアバウトな場面も多々ありますが。
少なくとも学生時代の私は、いまの私を想像もできませんでした。
人間の性質って、仕事を通してだいぶ変わるものだと実感しています。
ただ、だからといってヤル気があれば何にでも適応できるとは思いません。
やってみて、どうしても合わない、苦しくてたまらない、ということであれば、心身を病む前に早く中断し、別の道をさがすべきだと思います。