先日の競泳・日本選手権で池江選手が優勝されたニュースは、日頃特にスポーツに興味を持たない私ですら、もらい泣きしそうになるくらい感動的な出来事でした。
厳しい闘病生活のブランクの後にこれだけの成績を出せるなんて、努力や精神力の強さはもちろんですが、その圧倒的な才能にも驚嘆した人が多いでしょう。
インタビューで彼女が「努力は必ず報われるんだなと思った」と語ったことには、ネット上で色々な意見が出ていたようです。
私は、池江選手が一般論として「努力は必ず報われる」といったのではなく、ご自分に対してそのように信じて努力を続け、達成した、ということだと思いました。勝ち負けという意味で、「必ずしも報われない人もいる」ことは、特に競技の世界では当然のことです。
では何をもって「報われた」とするのか。
スポーツでも音楽でも勉強でも、一等賞を取ることが誰にとっても最もわかりやすい達成感でしょう。
でも何かをするとき、「一位になれなくてもやりたい」「好きだからやりたい」という思いで始め、続けることも多いですし、「好きなことをやって楽しかった」「やりたいことを思いっきりやれてよかった」ということでも満足感を得ます。
もちろん、順位がつくものについては、思うようにならない場合に悔しさや悲しさに沈むこともあります。でもそういう経験が、後々その人の厚みとか、理解力、想像力、心の強さにも繋がっていくでしょう。
何をするにしても大事なことは、「自分が好きでやりたいことを、一生懸命!!にやる」ということだと思います。そうすれば相対評価はともかく、絶対評価は確実に上がっていくはずです。一つでも二つでもできなかったことができるようになり、喜びが生まれます。そして「一生懸命に頑張った自分」を肯定的に評価できれば、自分の「芯」は揺るぎなく強化されていきます。
「競争によって得られる力や経験」と、「絶対的評価による自己肯定感」が、1位の人にも100位の人にも与えられる、大きな「努力の報い」だと、私は思います。