こんにちは。
前回、最後にしらっと「処方せん(と月初めは保険証)をお忘れなくお願いします」と書いたのですが…。
え?保険証?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
今回の記事は、前回の補足説明でもあります。
保険証についてときどき尋ねられる質問。
「病院で保険証がいるのはわかるんだけど、どうして薬局でも出さないといけないの?」


なぜ薬局で保険証提出を求められるかというと、
保険証の提出が義務付けられているから
そして、実際問題として、
しばしば、処方せんに書いてある保険者番号、記号番号に誤りがあったり、保険証が無効になっていることがあるからです。
実は、病院で保険証を提出しても、入力ミスなどで処方せんに記載されている番号が間違っていることがあります。また、保険証の期限が切れたり、保険証が変わっても、誤って前の番号が記載されていることがあるのです。
患者さんが、退職された後に保険証を返還せず、そのまま医療機関にお持ちになってしまうというケースもあります。
たまに、「出す必要ないだろう。法律で決まってるのかあっ?」と怒り出す方がいらっしゃるのですが…はい、これに関する法令は、次のようなものになります。
健康保険法施行規則
(処方せんの提出)
第五十四条 法第六十三条第三項各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方せん及び被保険者証を(被保険者が法第七十四条第一項第二号又は第三号の規定の適用を受けるときは、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。
みなさまはお薬をもらったとき、窓口で一部負担金を支払いますね。
この一部負担金は年齢や収入によって違いますが、サラリーマンや自営業者だと3割です。
そして残りの7割は、みなさまが日ごろ保険料を支払っている「保険者」(協会けんぽや市区町村など)から支払われます。
保険番号、記号・番号が正しくない場合、この7割分が支払われませんので、後日患者さんにご連絡して、この7割分をいただかなくてはならなくなることもあり、結果的に患者さんにわずらわしい思いをさせてしまうことがあります。
薬局の受付で「保険証お願いします」と言われるのはこのような理由です。ぜひ、保険証の提示にご協力をお願いいたします。
蛇足ですが、以前、保険証をいれたカバンを置いてほんの少し車から離れた隙に、車上あらしにあってしまったという患者さんがいらっしゃいました。
保険証は身分証になる大事なものですから、車内に置かないよう、お気を付けください。