薬局

【薬局での待ち時間を短くするために】(前編) 待ち時間が長い理由

 

こんにちは。

 

みなさま、「薬局の待ち時間って、なんでこんなに長いんだろう」って

思われたこと、ありますよね。

 

患者さん

会社の昼休みに薬をもらおうと思ったのに、なかなか自分の名前がよばれない。困るわ!

 

患者さん

具合が悪くて辛すぎるから早く帰って横になりたいのに、どれだけ待てばいいの?

 

患者さん
私より後にきた患者さんのほうが、先に薬をもらって帰っていった! なぜ?

 

お気持ちは、よく分かります。

 

薬剤師も事務職員も、「まだ?」という患者さんたちの刺すような視線を感じつつ、少しでも早くお渡しできるよう努力しています。

 

お薬のご用意に時間がかかりそうな場合には、薬剤師か事務職員が前もって大体の待ち時間と、その理由をお伝えするようにしている薬局が多いと思います。

 

それでも時々、患者さんから「数を数えて持ってくるだけなのに、いつまで待たせるの?」と言われることがあります。

 

「なぜ時間がかかるのか」理由がわからないことも、苛立ちの一因であると思います。

 

今回は前編として、薬局の待ち時間が長くなる理由についてお話しようと思います。

 

次回は後編として、薬局における待ち時間のストレスをなくす、または軽減する方法をお伝えします。

 

薬局の待ち時間が長い理由

患者さんが多い場合

これはあまり説明の必要がないですね。

大きな病院の近くの薬局や、繁忙期(風邪やインフルエンザが流行する時期、花粉症の時期など)だと、待合室に座れないくらいの患者さん、つきそいのご家族がお待ちの場合があります。そうなると、2時間待ち、なんてこともあると思います。

また、自分の薬は1種類だけだからすぐ出してもらえるだろう、と思っていても、その前に受付された患者さんの数が多かったり、別の患者さんの薬の調剤に時間がかかる場合は、その分、待ち時間が長くなることがあります。

 

お薬の在庫がない場合

門前薬局(病院やクリニックの向かい、隣、など近くにある薬局)であれば、大抵の場合、その病院・クリニックから発行される処方せんに書かれているお薬が揃っています。

 

しかし例えば、

 

旅行中にいつもの薬が足りなくなったので、たまたまそのクリニックを受診した

 

転勤で引っ越してきたばかりで、前の病院と同じ薬をもらうことになった

 

という事情で初めて受診され、医師が紹介状やお薬手帳をみて、いままで服用されていた薬を記載された場合、当該薬剤の在庫がないことは少なくありません。

また、

 

門前の薬局での待ち時間が長いので、車で少し離れた薬局にきてみた

 

という場合も同様です。

それに加えて、

 

患者さんに、「この薬はこの製薬会社のものでなくては!」や、「絶対に先発品で、または、絶対にジェネリックでもらいたい」という希望がある

 

処方せんに「変更不可」の医師の署名があり(「変更不可」とは、医師の記載したメーカーの薬しか使えないという意味です)、在庫している別メーカーの薬に変更できない

 

となると、状況はさらに厳しくなります…。

 

在庫がないときは、近隣の薬局のなかで在庫しているところを探して小分けしていただいたり、問屋さんに急いで配達していただくようにお願いしますが、どうしても当日中に手配できない場合もあります。

 

疑義照会が必要な場合

患者さんから見えにくいところ。それは、薬剤師が処方せんを見て、薬の用意をするときに何をしているか、ということですね。

 

再来局の場合:お薬手帳の確認(併用薬)。前回の処方内容と比べながら今回の処方が同じか、変わっているかをチェック。処方が変わっている場合は念のためご本人に確認。残薬(飲み忘れ、受診が予定より早かったなどの理由で、手元に余った薬がある)の有無を確認。処方せんに書いてある薬の用法、用量が適切であるか確認。

 

れお
用法は飲む回数やタイミング、用量は飲む量のことです

 

初来局の場合:併用薬・サプリメント(飲み合わせ)、アレルギー、副作用歴、既往歴などをご本人に確認。その結果、今回の薬の服用が問題ないかのチェック。処方せんに書いてある薬の用法、用量が適切であるか確認。

また初めての場合は、パソコンで新たな患者さんの登録(氏名、住所、保険番号など)をする必要があるので、再来局に比べて事務的な作業に時間がかかることがあります。

 

検査値がわかる場合(腎機能・肝機能を示す値、ワーファリンという血栓を予防する薬の効果を見る検査値など)は、処方されているお薬の用法・用量が適切であるかのチェック。

れお

腎障害・肝障害があったり、ほかの病院の薬との飲み合わせが悪いときには、薬の量を減らしたり、ほかの薬に変える必要がある場合があります

処方内容に疑問が生じた場合は、処方医に連絡をして、処方内容についての確認や提案をします(薬剤師が、医師に連絡をとることなく記載内容を変更することはできません)。 これを疑義照会といいます。これは薬剤師の義務として、薬剤師法第24条に規定されています。

薬剤師法第24条

薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。

疑義照会は、患者さんの安全を守るため、とても大事な薬剤師の仕事です。

お急ぎの患者さんに「薬剤師の分際で余計な事するな! 医者の書いたとおりに早く出せ!!」と激昂されても、ここは譲れないのです。薬剤師は、ご説明して納得していただけるよう、つとめていますm(__)m

 

一包化や錠剤の粉砕、塗り薬の混合に時間がかかる場合

錠剤や散剤などをヒート包装のままでお渡しする場合で、薬の種類がそれほど多くなければ、(そして、お待ちいただいている患者さんが多くなければ)待ち時間は少ないと思いますが、

 

お薬を1回分ずつ、透明な袋に分包する一包化の場合

錠剤を半分に割って、透明な袋に分包する場合

錠剤を粉砕する必要がある場合

数種類の塗り薬を混合する場合

 

などは、どうしてもお時間をいただかなければなりません。

 

一包化の場合は、包装からプチプチと薬を取り出し、分包機で1回分ずつ包装し(ここまでを自動でやってくれる全自動分包機を備えている薬局もあります)、分包されたものが間違いないか、1つ1つ薬剤師が確認します。以前は、ほぼすべての錠剤の識別コード(錠剤に刻印されている文字)を覚えておかなければならなかったのですが、最近は錠剤に薬剤名が印字されているものも増えてきて、確認がだいぶ楽になりました。

 

半錠の場合は、錠剤分割用のハサミやカッターで分割し、分包機で分包します。

 

錠剤がのみにくい方の場合、錠剤を粉砕して粉にしてから、分包機で分包します。

粉砕や散剤の分包の場合は、分包機にかける前の重量と、分包紙に包装された重量をみて、誤差が許容範囲であるかの確認をしています。

 

ここで、散剤にしても錠剤にしても、1日3回服用するお薬を90日分分包するとなると、270包となります。それが、分包機から1包ずつ出てくる時間は、短縮不可能です。

 

塗り薬の混合は、大きな薬局や皮膚科の門前薬局であれば、たぶん自動練合機があるのですが、昔ながらにヘラで混合している薬局では、結構時間がかかることがあります。

ちなみに私は、自動練合機がある薬局で勤めたことがないです。

 

個々の薬局の事情

薬局には、比較的多くの薬剤師、事務職員がいるところから、薬剤師と事務が各1名のみのところまで、規模は様々です。

 

そして、職員が使える社用車があるところ、ないところがあります。

 

そうすると、次のように、できることに違いがあります。

 

職員の少ない薬局であれば、薬の在庫がない場合、即座に在庫している近隣の薬局を調べ、分譲してもらいに行くことは難しいです。ほかの患者さんがお待ちだからです。

 

また、在庫している薬局が徒歩や自転車で行けない距離の場合、社用車があれば、必要な薬をその日のうちに揃えることが可能かもしれません。社用車で、患者さんのご自宅にお届けすることもできるでしょう。

 

調剤に時間のかかる処方せんのあとに、時間のかからない処方せんを受け付けた場合、複数の薬剤師がいれば、あとの患者さんはそれほど待たずに薬を手にできるでしょう。

しかし薬剤師が一人であった場合、時間のかからない処方せんを優先して調剤するということは、先に来た患者さんを延々とお待たせすることになりますので、難しいです。

 

もちろん、限られた条件のなかで、薬局職員の誰もが自分にできる最良のパフォーマンスを目指しているはずです。

 

 

以上、今回は、どうして待ち時間が長くなるのかについてお話しました。

次回は、【薬局での待ち時間を短くするために】(後編)待ち時間を短縮する方法

で、待ち時間を少なくする方法をお話します。

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